進捗管理をAIに任せたいと考えた理由
私はChatGPTを使ってブログ運用や個人開発を進めています。その中で、決めた方針や作業の進捗を一つのチャットに頼らず管理したいと考えるようになりました。
取り組みの途中で万が一チャットが消えてしまった場合、新しいチャットで途中の作業を再開しなければなりません。そのような状況で、目的や決定事項とそれまでの進捗をAIに説明し直すのは、作業者の大きな負担になってしまいます。
そこで私は、会話で決めたことや作業結果をGitHubへ保存する運用を始めました。2026年9月時点では記録の作成・読み込み・更新もAIに任せている状況で、私は主に進めたいことを伝えて方針や結果を確認する役割を担っています。AIは必要に応じて記録を参照しながら作業を進め、進捗が変わったら記録の更新も行えます。
この運用を始めてから、新しいチャットで続きを相談するときにも同じ記録をAIが読み直すことが可能になり、作業効率が大幅に向上しました。
この記事ではGitHubをAIの「外部記憶」として使っている私の運用を次の3点から紹介します。
- 何を記録するか:目的や決定事項から未完了の作業までをどう残しているか。
- AIにどこまで任せるか:記録の整理・更新と人が行う確認をどう分けているか。
- 記録をどう使うか:作業の見直しや新しいチャットでの再開にどう役立てているか。
使い方だけでなく続けるうえでの手間も紹介します。ご自身の作業に取り入れたいかを考える参考になればと思います。
GitHubを記録の保存先にする
GitHubはリポジトリと呼ばれる場所にファイルをまとめ、変更履歴を管理できるサービスです。コードだけでなく文章で書いた方針や作業記録も保存できるので、私はAIを使った取り組みの記録先として利用しています。GitHub公式のリポジトリ説明
実際に保存しているのは、ブログの制作方針や開発中のソフトの目的、確認できた動作や残っているタスクなどです。こうした情報をまとめておくことで、チャットが変わっても同じ記録を参照しながら相談を続けられるようにしています。
この運用ではGitHubが記録の保存先となり、AIが保存された情報を読み取って作業へ反映します。私はこのようにファイルと変更履歴を引き継ぎに使う方法を「外部記憶」と呼んでいます。専用の記憶機能を導入しているという意味ではなく、AIが参照できる記録を別の場所に用意しているということです。
AIが記録を扱える環境を用意する
AIに記録の管理まで任せるには、保存先のファイルを読み書きできるアプリや連携ツールが必要になります。
私はChatGPTでこの記録管理を始めましたが、2026年9月時点ではWindows上のCodexというアプリでも同じ運用を続けています。AIにPC内の文章ファイルを編集してもらい、その変更をGitHubへ保存する方法に加えて、GitHubの記録を読み書きする連携ツールも併用しています。
こうした連携機能を追加する方法の一つにプラグインがあります。ChatGPTやCodexで利用できます。OpenAI公式のプラグイン説明
ただし、連携しただけで会話がすべて自動保存されるわけではありません。どこに何を記録するのかを決めておく必要があり、使う環境を変えたときには記録の読み込みと変更の保存ができることも確認しています。
次の判断に必要な情報を残す
私が記録に残しているのは、取り組みの目的や採用した方針と、その後の判断に必要になる情報です。作業が進んだら確認結果を残し、現在の状態と未完了の作業も更新してもらいます。結論だけでは後から方針を見直すときに背景が分からなくなるので、なぜその判断に至ったのかも必要な範囲で保存しています。
たとえば記事制作では次のような情報を残します。
| 残す情報 | 記録する内容 |
|---|---|
| 目的 | GitHubを使った記録と引き継ぎの仕組みを紹介する。 |
| 決定事項 | 会話全文の保存方法ではなく方針と作業状況の管理を扱う。 |
| 現在地 | タイトルと構成が決まって本文を作成している。 |
| 未完了 | 本文の確認、必要な画像の準備、公開前の表示確認。 |
| 次の作業 | 本文を読んで意図と異なる説明がないか確認する。 |
記事制作の場合は進捗の記録だけでなく、タイトルや構成と作成中の本文も一緒に保存しておきます。新しいチャットで続きを進めたいときは、それぞれの保存先を示して両方をAIに読んでもらう形です。これによって、すでに決まっている題材や構成を説明し直さずに本文の確認から相談を始められます。
本文の確認が終わったら、その結果と次に行う作業を記録へ反映してもらいます。表示確認が残っていれば次回の作業として残し、公開を保留する場合はその理由と再開できる条件も記録するようにしています。
このとき気をつけているのが、検討中の案と採用した方針を分けて扱うことです。会話の中で候補に挙がっただけの案まで決定事項として残してしまうと、次のチャットで意図と違う方針のまま作業が進む可能性があるためです。
また、過去の経緯と現在の状況も分けて管理しています。細かい作業内容は履歴として残しつつ、再開するときは現在の方針と未完了の作業をまとめた記録から読んでもらうようにしています。
記録の整理と更新もAIに任せる
記録を残すことで説明し直す手間は減りますが、そのために毎回私が文章を書き直して保存するのであれば、今度は記録を続けること自体が負担になります。そこで、何をどこへ残すかの整理から以前の記録との比較や更新まで、基本的にはAIに任せる形にしています。
私から保存を指示することもあれば、あらかじめ決めた「何をいつ記録するか」というルールに従ってAIが更新してくれることもあります。この運用での私とAIの役割を整理すると、次のようになります。
- 私が行うこと:目的や方針を決めて提案を採用するか判断する。内容と結果も確認する。
- AIへ任せること:記録を読んで相談や作業を進める。必要な情報を整理して記録を更新する。
作業の区切りで保存して再開時に読み直す
保存するときは、実行しただけの作業と動作確認まで終わった作業を分けるようにしています。AI側の作業が終わっていても私の操作や確認が残っていることがあるので、そこまで含めて完了したような記録にしないためです。
記録の更新では、AIに変更内容の確認と保存を進めてもらい、保存後にも記録を読み直してもらいます。会話の中で記録を頼んだことと、実際に保存されたことを分けて確認するようにしています。
再開するときは記録を読んでもらったうえで、今回進めたいことや状況の変化を伝えます。前回と比べて使える時間や環境が変わっている場合もあるので、残してある記録をもとに今できることを相談する形です。
保存と再開を依頼する例
次は、この運用を試すときの指示例です。実際の会話の引用ではありません。保存先を決め、AIから読み書きできる状態にしたうえで使います。
指定した保存先に、今回の目的・決定事項・確認結果・未完了の作業・次にすることを記録してください。検討中の案は決定事項と分け、保存後に内容を読み直して確認してください。
再開時は同じ記録の場所を示します。
この記録を読んで、現在の状況と残っている作業を整理してください。今回は未完了の項目から進めます。記録と現在の状況に違いがあれば、作業前に示してください。
保存時にはファイルの内容と保存先を確認し、再開時にはAIの説明が記録と合っているかを確かめます。この一往復を試すことで、記録を作れただけでなく、次の相談に使えるかまで確認できます。
終わった作業と確認が残る作業を分ける
実際の例として、このブログをインターネット上に公開するためのサービスを変更したときにも、この方法で作業の進捗を管理しました。
そのときはAIが設定と確認を終えた項目を完了にし、私の端末で確かめる必要がある項目は未完了として残しました。作業全体をまとめて完了にするのではなく、項目ごとに状態を分けて記録したことで、私がこれから何を確認すればよいのかを把握できるようにしました。
なお、この作業は同じチャットの中で進めたものです。ここで紹介しているのは進捗を記録して管理した事例であり、記録だけを新しいチャットへ渡して同じように再開できるかを比較した検証ではありません。
記録の引き継ぎで変わったこと
私がこの運用で特に楽になったと感じているのは、新しいチャットを始めるたびに背景や方針を一から説明し直す必要がなくなってきたことです。日頃から記録を更新しておけば、再開するときもその記録から進捗を確認して相談を続けられます。
冒頭で作業効率が大幅に向上したと書いたのも、こうした説明や確認の手間が減ったという私自身の実感です。短縮できた時間や成功率を測定した結果ではありませんが、ブログ運用や個人開発を続けるうえで大きな助けになっています。
一方で、AIに任せていても記録の状態を確認する必要はあります。私が気をつけているのは次の3点です。
- 記録に残ったか:会話で決めただけの内容はまだ保存されていない。
- 現在の状態に合っているか:方針や作業状況が変わったら古い記録を更新する。
- 正しく使えたか:AIが読み出した内容を実際の判断や作業に正しく反映できたか確認する。
別のAIにも同じ記録を渡す使い方は考えていますが、2026年9月時点では、別AIに渡した場合の挙動を比較検証していません。
2026年9月時点では、記録の整理や更新をAIに任せながら、私が方針や結果を確認する形で運用を続けています。今後も実際に使う中で見直しながら、管理の手間を抑えて取り組みを継続しやすい形にしていきたいと考えています。